2007/07/28

新・こまめのきもち

2





「火が消えたよ。」
「おやおやそのようですね。
一寸お待ちください。今点きますから。」



「ポッ……! ほらね」
「うん。」



「もうすぐ“死神ちゃんの村”ですからね。」
「うん。」



「ダメにゃ! クマちゃん、行っちゃダメにゃ! 
う〜ん、う〜ん。」



「このコ助かって良かったね。兄者。」
「そうだな、運がいい。」
「でも すごいうなされてるよ。」



こまめちゃんたちを救ったのは二匹の白猫。
“白猫兄妹”でした。



「ありがとうございました。ホントに助かりました。」
「あんな場所を登ったらいけないわ。」
「お前達はどこへ向かっているんだ?」



ユメクロがワケを話すと、
二匹は大変驚きました。
「そんなところへ行ったら、みんな死んでしまうぞ。」



「う〜ん、う〜ん……。」
「兄者、でもこのコ、ケナゲで勇気があるわ。」
「そうだな……。」



「舟が出るぞーー。」
こまめは悪夢にうなされていました。



死神ちゃんはたくさんの魂を首から下げています。
こまめはますます不安になりました。



その時、こまめは突然目覚めました。
「どうもお世話になりました。恩にきるにゃ。」



そう言ったかと思うと、皆の制止を振り切り、
こまめは外に飛び出すのでした。
「待って!こまめちゃん。」



「私が案内してあげるわ。
私達兄妹は猫の忍者なのよ。」
「アニャ、ホント!」
白猫のニャツキは優しい猫なのです。



「女のコ同士でいきましょ。」
「うん。あニャがとう!」



「しょーがねぇなァ、クロネコ。俺達も行くゼ。」
「ハイ!」



こうして4匹は
さらにさらに険しい山道を
進むのでした。



すると今度は岩山の上から、
4匹を見つめる2匹の猫がいます。



この2匹は果たして
こまめたちの味方なのでしょうか、
それとも……。



2匹の背後には巨大な猫が現れました。
「美味しそうな奴らだね。」
「うん、美味しそう、美味しそう!」

つづく……

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2007/03/09

新・こまめのきもち

1





ある日、死神ちゃんが突然現れたんだ。
そしてクマ兄ちゃんにこう言うんだ。
「ワシといっしょに来るのだ。」



「行っちゃダメだよ、クマ兄ちゃん!」
でもクマ兄ちゃんは「うん。」しか言わないから……。



「クマ兄ちゃん、ゴハンだよー!ゴハンだよー!!」
ボクはいっしょけんめい叫んだんだ。



「やっぱ、帰る。」
「ダメだ!おまえはワシの村に来るのだ。」



そう言って、クマ兄ちゃんは
“死神ちゃんの村”に連れて行かれたんだよ。
「クマ兄ちゃ〜〜〜〜〜ん!……」



「でも、兄ちゃん、これ置いてった。」
「あニャ、これは……」



「ぶさいクマちゃんの“清い心”だ!」



「え〜ん、え〜ん、クマ兄ちゃ〜ん。」
「弟の犬ちゃん泣かなくていいニャ。
 アタチがクマちゃんを今から助けに行くニャ!」



「行ってくるニャ。」
「ゴハンまでにはもどる?」
「それは無理かニャ。」



「え〜ん、え〜ん、頼んだよ、こまめちゃん……」
こまめはたった一人で“死神の村”へと向かいます。



一刻も早くぶさいクマを救出しようとするこまめの後を
こっそりつけてくる猫がいます。
ユメクロです。



「ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、ニャ。」
こまめはドンドン歩きます。
「こまめちゃん歩くの速いにゃー。」



「ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、ニャ。」
こまめはズンズン登ります。
「こまめちゃんスゴイにゃー。」



「ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、ニャ、ニャ。」
こまめは高い所もへっちゃら。
ユメクロは追いつけません。
「もうあんな高いトコまで……」



ところが、ガラガラガラガラ!
「ニャ〜〜〜〜〜〜!。」
「あ、こまめちゃん!」



「こ、こまめちゃ〜〜ん!!」
こまめは谷底へと落ちてしまいました。
「大丈夫?こまめちゃん!」



「だ、大丈夫にゃ……
こんな時の為にいつも受け身の練習をしていたんニャ……」



薄れゆく意識の中、
こまめは舟に乗るぶさいクマの夢を見ました。



「フッ……」
光が消えました。

つづく……

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